意地っ張りな恋の話



◎◎


「え、絢くんその顔どったの?
カッコいい顔が台無しじゃーん」

「…うっせぇよ
てかなんで当たり前のように店きてんだよ」

「え、ひどくない?別に来たっていいじゃん
ね、ゆりちゃん」


あたしに振るな。

そう思って全力でシカトした。


様子のおかしいあたしに不思議そうな顔をしたヨルくんにカフェオレを出す。

すっかり常連となったヨルくんは、カップを口に運びながら、上目であたしを見つめた。


「ゆりちゃんがやったの?アレ」


ガシャンガシャン、

分かりやすく動揺したあたしは思い切り足をテーブルにぶつけた。


「は、は?知らないし」

「わっかりやす…もっと嘘上手くなりなよ」


呆れ顔でカフェオレを啜るヨルくんに何も言い返さず、そそくさと厨房へと逃げた。

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