意地っ張りな恋の話
「誰かさんにぶつけられた額がいてぇ」
「…………」
「あーいてぇなー…これ割れてんじゃねえかな、あれから2日もたつのに未だに痛え」
ぶちぶちと文句を言う絢くんの額はたしかに赤く腫れていた。
改めて自分が石頭だということを自覚した。
でもあれは頭突きされても仕方無いと思う。
外であんなことするなんて。
あの後放っておいたら何するかわからなかったし、あたしは間違ってないと思う。
「…大丈夫よ、割れてたらそんな痛がり方どころじゃないわよ」
「なんかふてぶてしいな」
あたしの態度を不服そうな顔で見つめる。
そんな視線から逃げるように、ひたすら食器洗いに勤しんだ。