振られたはずなのに王女の婚約者が元彼だなんて
「ユリシスと言ったわね。 突然の婚約話、相手が王女の私でどれほどの戸惑いと苦痛を感じたか、お気持ちを察すれば申し訳なく思います。 貴方の愛するノーラを妾にしてしまうなんて酷いと詰られても仕方ないもの」

「俺があさみにした事を考えれば当然の結末だと受け入れるつもりだ」

 それは一応の自覚があったという事かしら。
 だったら酷い男よね。

「ずいぶんあっさりとしていらっしゃるのね」

「少しばかり名誉や権力にも目が眩んだ、と言った方が喜ぶのかな」

「お父様の前では猫を被っていた、とおっしゃったらいかがかしら」

「確かにあさみなのに、性格はまるで真逆で変な気分だな。 ノーラの方もそれは同じだが」
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