エリート弁護士は、ショコラティエの彼女を独占欲で満たしたい。
八神さん


 カランカラン――と扉が開いた音がしてそちらを向く。


「いらっしゃいませー」

「こんにちわ」


 現在、十二時半。いつもならお客さんがゼロの時間帯、スーツを着た男性がやってきた。


「何かお探しですか?」

「おすすめのボンボンショコラを一箱とババロアを二つお願いします」

「ありがとうございます、保冷剤はおいくつご利用ですか?」


 そう問うと、男性は人差し指を立てて「ひとつ、お願いします」と言った。

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