エリート弁護士は、ショコラティエの彼女を独占欲で満たしたい。
「やっと、会えた。チョコおいしかったよ……君のことはテレビで見てね、一目惚れだった」
「……っ……」
男性はニヤニヤと笑い、こちらに近づいてくる。その表情が怖くて逃げたくて逃げようとするけど恐怖で体が動かない。動けないうちに彼はこっちに来て私の手首を掴む。その拍子にスマホが落ちてしまい、八神さんに電話をかけることもできなくなった。
「今日はね、君を攫いに来たんだ」
手首を強く掴まれ、手を引かれそうになり大きな声を出そうとするが口を塞がれた。声が出せなくなり、彼は私の腰に触れる。
今日の着ているブラウスのボタンが大きかったため思いきり開かれボタンがちぎれてしまいての侵入を許してしまいキャミの上から胸を触られこれから起こることを想像出来てしまって恐怖で震えた。涙が出そうになっていたその瞬間なぜか……私から男性がいなくなった。
「……えっ?」
すると、横から「双葉さん。大丈夫!?」と声が聞こえて声の方向を見る。
「……や、がみさん」
そこには八神さんがいて、優しく微笑んでくれた。その笑顔にホッとして力が抜けた私は倒れそうになった。
「もう大丈夫だ、来るの遅くてごめんね」
八神さんは服がはだけてしまった私のためにジャケットを脱ぎ肩にかけてくれた。