エリート弁護士は、ショコラティエの彼女を独占欲で満たしたい。
「……へぇ、お店を?」
「はい。まだ物件巡りしなきゃですが……」
美香の住んでいるマンションまで走りながら私が帰国した経緯を話すと、美香が遮った。
「爽斗くん、郁花ったらね住む所決まるまではホテルで住むって言っていたのよ。だから、決まるまではルームシェアすることにしたの」
「確かにずっとホテルはもったいないね。お店の資金とかもあるだろうし」
「でしょ〜」
美香、爽斗さんと仲がいいんだな。それに美咲ちゃんは頷いていて楽しそうだし。幸せオーラ全開だな。ふふっ……。
「……郁花、急に笑ってどうしたの?」
「いや、なんかみんな幸せオーラ全開でいいなあって」
「えー? 郁花は、恋人いないの?」
「私は、そんな暇なかったし……チョコレート作るの楽しくて」
一度、メリーから男性を紹介してもらったけど修行中の身だったし。ショコラティエとして自分のチョコレートをお店に出してもらえるようになった時には作るのがすっごく楽しくてそんな時間なかったからなぁ。