チョコレート【短】
「で、今日も遅れた理由は課題?」
「・・・うん。」
愛依は苦笑いして、頼んだココアを飲んだ。
「今日の夜ご飯、何がいい?」
「・・・カレー。」
カレーって、子供みたい。って言って愛依はまたいつもの笑顔で笑った。
だって好きなんだし。
うまいじゃん。カレー。
そのあと、他愛もない会話をして。
まぁ俺は、うん。とかしか言ってないけど。汗
「そろそろ行こっか」
そう言って、カフェを出た。
12月だから、まだ5時半なのに外は薄暗い。
「寒いね~」
そう言いながら、愛依は自分が着けていたマフラーを俺の首に巻いた。
孝はすぐカゼひくから、と小さな声で言って。
「こ~う行くよ~」
言えるかな、今。
「愛依~」
「なに~?」
「―・・・・・・・・・ょ・・・・・・」
「聞こえない!」
そう言う君の笑顔を見てると、いつも思ってしまう。
何も言わなくても、何もしなくても。
君はずっと傍にいてくれるんじゃないか、って。
そんなはず、ないのに―・・・・・