チョコレート【短】




次の日の食堂。
俺は隼人と居た。

「孝治~ノート写すんだろ?」

「いい。」

「孝治~昼飯は?」

「いらねぇ。」


「・・・あ、愛依ちゃん。」

「!!!」

ガバッ!と、テーブルに突っ伏していた俺がいきなり起き上がると、隼人はにやりと笑った。

隼人が指差す方向には、愛依が・・・あの昨日遊んだ男と一緒に居た。
つかアイツ、教育学部かよ。キモい・・・

愛依を見ていると、明らかに困っている。
それなのに、あのキモ男はしつこく話しかける。


体が、咄嗟に動いた。


「・・・おい。近づくな。」

俺はキモ男の肩を押して、愛依から少し遠ざけた。
近ぇんだよ、バカ。

愛依は、かなり驚いた顔をしている。
それもそうだ。
昨日は俺が一方的に別れたのだから。

・・・あんなことして、今さら図々しいかもしれないけど、俺はそんなこと考えてるヒマなかった。

ただ、愛依に近づかれるのが嫌だった。


「・・・は?お前に関係ねぇじゃん?」

と言って、キモ男はすでにケンカ腰だ。
・・・すぐキレるのがカッコイイと思ってんのか。
中学生以下だ。

食堂に居る学生達が、徐々にこっちに注目している。

「関係あんだよ。」

キモ男を睨む。



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