【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた
’碧人さんとキスをしてしまった…’
今まで漫画や小説の中で事故キスを見ても、そんなん絶対起こるわけなかろうと馬鹿にしていた。
その馬鹿にしていた出来事が実際に起こってしまうなんて……。
「桃菜ちゃん、本当に大丈夫?顔が真っ赤で具合いが悪そうだけど……」
部屋に戻り布団に入った後も中々熱は引いてくれなかった。
碧人さんの唇の感触を思い出しては、また一度熱が上がってしまう感覚。
キスなんて初めてじゃないのに……! キス位、気持ちがなくたってゲームでだって今まで何度もしてきた事なのに…
碧人さんに触れられた体は熱かった。 触れた唇も思ってた以上にずっと柔らかかった。
今まで意識しないように、そう考えていたのに。
事故キスなんだから、あんなのキスにカウントされないよ…!そう何度考えても、碧人さんを想い眠れぬ夜がやってきてしまうのだ。
そして私はその日から三日間高熱にうなされてしまう事になる。