【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた
真凛ちゃん………熱が出た時は本当に心配してくれて、大学を休んでまで看病してくれたっけ…。
お粥とかフルーツを用意してくれて、本当にお母さんみたいだった…。
いつもいつも自分の事より人の事…。 そんな風に優しくしてくれた真凛ちゃんを何度も傷つけた。
この数ヵ月で何度も省みて、自分の行いを反省した。 それでも後悔ばかりで、じんわりと瞳に涙が滲んだ。
「ふあ…だるい……何これって罰…??体中痛いし、熱いよぉ…。」
39度を超す熱を出してダウンした後の記憶はあまりない。 碧人さんが車を出して病院まで運んでくれたのさえ、記憶が曖昧だ。
いつもならば多少高熱が出ても医者に行かず一日で下がる。 けれど小早川家の住人達は大騒ぎして、病院へ連れて行かれる羽目になったのだ。
風邪と疲れがたまっていたのでしょう、と診断をされて熱さましと抗生物質を処方された。
しかし三日過ぎても39度の高熱は続いていくのだった。 元々体力のない体にさすがにこれはこたえた。
会社にも迷惑をかけている事だろう。 意識が朦朧とする中、色々な夢を見た気がする。