【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた
複雑な家庭環境で育ってきた桃菜。
家族の愛情を知らない女の子。
そんな彼女が我が家に来て、家族に囲まれて毎日笑っている。
どう見ても他人と暮らすのなんて億劫そうだったのに、本当に毎日心から楽しそうに笑っている。
その明るさや賑やかさは、まるでみやびさんがいたあの頃に戻ったようで
俺はいつの間にか、彼女がずっと家にいてくれたらいいと思うようになってしまった。
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それは意地悪をしたかったわけではなくって、思えばただの子供っぽい嫉妬だったのかもしれない。
「だってさ、桃菜」
人の実家に来て、勝手に告白をするのはどうだろう。
ちょうどmarinの系列店をオープンさせることに決まった。
瀬能くんは系列店がオープンしたら、そちらの責任者として回すよう伊織に掛け合って見よう。
私的に権力を使っているようだが、桃菜に変な虫がつくのは…何となく嫌だ。