【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた

改めて、幸せそうな真凛ちゃんの顔を見て
心から良かったと思う気持ちと同時に、申し訳なくて仕方がない気持ちになる。

自分が真凛ちゃんにした事を省みて、何度も反省して謝った。 お人好しな彼女はなんだかんだ許してくれたけれど…

今更、こんな感情が溢れ出してくるなんて……。

「真凛ちゃん、本当にごめん……」

「え?何が?」

「今まで本当にごめんなさい…」

「何謝ってんの?もういいって何度も言ったでしょう?
私、桃菜が言う通り今は伊織とすっごく幸せなんだから!」

心の底から幸せだと笑う真凛ちゃんの表情を見て、喉元がカッと熱くなる。

自分がしてきた後悔と心からの謝罪は、直ぐに感じるものではなく時間が経って再び向き合った時に重く圧し掛かるものなのかもしれない。

小早川家で過ごした数ヵ月、碧人さんと一緒に過ごした時間。
今は私も誰かを心から大切に思う事が出来るから、あの日々達を後悔する事が出来たのだ。
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