【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた

やっぱりやきもちって訳ね。
それは意外過ぎる。

真凛ちゃんは元々ドライというか…彼氏が出来てもきゃぴきゃぴはしゃぐタイプの子じゃなかったし、どちらかといえばいつも冷静だ。

だから伊織さんがたかが私の名前を呼び捨てにしただけでこんなにやきもちを妬くとは…これもお酒の力で私の知らなかった真凛ちゃんの本当の姿なのかもしれない。

伊織さんは真凛ちゃんを抱えて、ソファーにゆっくりと座らせる。

’全く’なんてさっきまで言っていたけれど、やきもちを妬かれて嬉しそうだ。 ニヤニヤした顔を見ればそんなの分かる。

つまりはラブラブっていうことね。

「あ、遅くなりましたけどお邪魔してます~~伊織ん。お久しぶりです。 今日は真凛ちゃんと夕ご飯を食べていたんですけど、そのまま盛り上がっちゃって家で飲もうって話になったんですよぉ~~」

「お、おう。桃菜……さん、久しぶりだな。まあ、碧人から話は聞いているからあんまり久しぶりな感じはしないんだが…」

「嫌だあ、碧人さんったら絶対桃菜の悪口を伊織んに言ってるんでしょう?
本当にムカつく…
それより真凛ちゃんが今日は夕ご飯デリバリーにするって言ってましたよぉ。
伊織んも一緒にワインどうですか?」
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