【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた
伊織さんにソファーに置かれた真凛ちゃんは、そのまま横になってしまった。
まだ意識はあるようだが、目がとろんとして眠たそうだ。
伊織さんは真凛ちゃんの頭を自分の膝に置いて、ソファーに寄りかかった。 そして愛しそうに彼女の髪の毛を撫でる。その時の伊織さんはとても優しい顔をしていた。
…本当にお似合いの二人だよ。 真凛ちゃん、こんないい人に出会えて本当に良かったね。
「ワインか、少し貰おうかな。」
「はいは~い。今グラス持ってきますね~~
伊織さんは真凛ちゃんとゆっくりしていてくださいね~~~」
真凛ちゃんと伊織んの暮らす家には、少しだけお世話になった事がある。
だから使い勝手は分かっていた。
ワイングラスをキッチンから取り出して、デリバリーのおつまみとお皿を用意してリビングへ向かおうとすると
大きな窓からは、都内の夜景が一望できる。
それをバックにソファーで真凛ちゃんと伊織さんが互いの顔を指で突き合っていた。
こっちまで恥ずかしくなってしまう程のラブラブっぷりだ。 あんなに優しい顔をする伊織さんも、気の抜けた真凛ちゃんを見るのも初めてだった。
運命に結ばれた二人。そうだとしか思えないんだ。