【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた

「桃菜ちゃーん、今日ご飯何?」

朱莉と藍が台所にやって来て、私の周りをウロチョロする。
小学生の二人にはかろうじて身長は抜かされていないが、直ぐに抜かされてしまうのだろう。

基本的に身長は遺伝が強く影響すると思っている。 碧人さんも秀人さんも180センチを超える巨人だから、いずれこの子達も大きくなるだろう。

「今日はカレーだよ」

「やり!朱莉、桃菜ちゃんのカレー好きー。藍もそう言ってたよね?」

朱莉の顔がぱあっと明るくなり、隣に居た藍も無表情でこくりと頷いた。

「桃菜ちゃんのカレーって何か美味しいんだよね。
あおくんと真白ちゃんのカレーはなんか水っぽいんだもん」

さらりと出た発言にも嬉しくなったりする。

「ふふん、まあね。 桃菜のカレーには秘密の隠し味がありますから」

「朱莉今日お代わりしようっと!
さ、藍ご飯出来るまで宿題すませちゃお!」

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