【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた

つくづく、小早川家の三姉妹達は騒がしいけれど良い子に育っていると思う。

真白がいると二人の母親代わりになってしまうけど、真白がいないとちゃっかりものの朱莉だってちゃんとしたお姉ちゃんだ。

…やっぱり家族って兄弟や姉妹って良いものだな。 自分が親兄弟には縁がなかった人間なので、羨ましくもなったりする。

カレーを煮込んでいる間朱莉と蘭は二人で部屋で宿題をしていて
仕事を終えた秀人さんは茶の間のこたつに包まりながら焼酎を飲んでいた。

「いい匂いだね、今日はカレーか」

「もう少しで真白と碧人さんも帰って来ますね~。帰って来たらすぐにご飯にしましょうぉ~!」

「桃菜ちゃんが来てから真白も助かってると思う。ありがとうなあ」

「いえいえぜんぜ~ん。桃菜料理や家事はそんなに苦になるタイプじゃないですから~。
真白も受験生で大変な時期ですしね~」

「そうなんだよなあー。真白は平気だっていうけれど、母親代わりをさせているのは申し訳なく思っているんだよ。
といっても桃菜ちゃんにはもっと申し訳ねぇけどなあ…。
うちは女の子ばかりで生意気盛りだから……」

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