【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた

確かに何かおかしいと感じてはいたが、ちっとも気にも留めていなかった。

真白達と碧人さんの歳は離れすぎているし、写真の中に写る亡くなった奥さんは碧人さんと年齢が余り変わらないように感じていた。

と、いう事は…碧人さんと真白達って腹違いの兄妹って事…?

「碧人の母親は碧人が小さい時に病気で亡くなってなあ…
アルバムの中には写真が残っているんだけど、みやびと再婚した時に碧人が表立って母さんの写真を飾るのはみやびがいい気しないから止めようって言って。
みやびと再婚するまで、十年以上は碧人と二人家族だったんだよ」

「そう…だったんだあ…。ね、奥さんは随分若いのね?」

「ハハ、恥ずかしいなあ。
実はみやびと俺15歳離れてっから」

「15歳?!歳の差婚だね。 それじゃあ碧人さんとの方が歳が近いんじゃない?」

「そうなる。だから再婚を考えた時もちょうど碧人が思春期だったから色々と考えたんだけど、碧人は昔から大人びた子だったから父さんの好きな様にしたらいいって。
みやびとも上手くやっていたし、真白達が産まれてからも本当に可愛がってくれて。
だからみやびが交通事故で亡くなった時は碧人も酷い落ち込みようだったよ……」

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