【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた
そうだったのか…。
碧人さんも幼い頃本当のお母さんを亡くしていたんだ。
その後に義理の母親になった人も事故で亡くした。
苦労してきた人なのだろう。 半分しか血は繋がっていないけれど、碧人さんは三姉妹を宝物のように扱っていた。
けれど、幼い碧人さんの気持ちを考えると胸がずきりと痛む。
「碧人さんは昔から面倒見がいいんだね……」
「だなあ、桃菜ちゃんに口うるさいのも本当の妹みたいに思っているんだと思うよ」
「妹ねぇ…妹っていうよりかは嫁いびりをしている姑みたいな感じだけど!」
「アハハ、それでも桃菜ちゃんを可愛く思っているんだと思う。
つーか俺的には桃菜ちゃんが碧人の嫁さんになってくれたら安心なんだけどな」
「よ、嫁?!」
秀人さんの突然の発言に、思わず顔を赤くする。
顔の前で両手をぶんぶんと振る。