【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた
「ほお?誰が悪魔だって?
住む場所や仕事まで用意してやった恩人に対して…」
後ろから悪魔の冷たい声がして、背筋がぶるりと震えた。
ひゅっと喉元から変な音がして、恐る恐る振り返ると、そこには帰宅したばかりの碧人さんと真白の姿があった。
「ひ、ひぇ…!
帰ってきていたのならば帰って来たと言ってくれれば…!」
「さっきからずっとただいまと言っているのに、親父と大きな声で俺の悪口大会をしていたのはお前だろう」
「ち、ちが…。そういうつもりじゃあ……」
「全く人を悪魔といえる立場か。お前の方がずっと悪魔なくせに」
「桃菜は悪魔といっても可愛い小悪魔なんですぅ……」
「普通自分でそういう事言うか?
それより腹減った、飯。」
「はいはい~分かりましたよぉ~……今すぐ用意しますから、そんなに怖い顔して怒らないでよぉ…!
真白、朱莉達部屋で宿題してるから呼んできて!」