【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた
第二章 居候娘。 でもまるでデートみたいでドキドキする。
第二章 居候娘。 でもまるでデートみたいでドキドキする。
実は私実の母を幼い頃に亡くしている。
だからちょっぴりだけど幼い頃に母を亡くす碧人さんの辛さには共感出来る…はず。
私の母も病気で亡くなった。小学校に上がる前に亡くなってしまったから、母の記憶はぼんやりとしている。
お母さんっ子で母の姿が見えなくなるだけで泣いていた。 その母の記憶の中で一番鮮明に残っているのは、病室で過ごす姿だ。
両親と私の三人家族。
仲良し家族だったのに、母が居なくなって父は再婚した。
幼い私にはまだまだ母親が必要だ、と誰かが話していたのを覚えている。
再婚して父と継母の間に直ぐに子供が授かった。 だから私には碧人さんほど歳は離れていないけれど腹違いの弟が一人いる。
継母との折り合いは良くはなかった。 歩み寄ろうとしても所詮は他人だ。
だから私の目に映る家族はいつも三人家族。 私を除いた幸せそうな家族の姿。
だからあの家族は私の家族であって家族ではない。