【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた

「カレーは二日目の方が美味しいよなあ……」

「つーか鍋いっぱいに作ったから今日の朝も昼も夜もカレーだよ」

「俺それでもいい。それにしても桃菜のカレーはどうして俺や真白が作るのとは違うんだろう」

「ふふん、それは隠し味をいれてるからでーす。 ねぇ、夜はカレードリアにしちゃおっか?
藍は好きかな?」

秀人さんから碧人さんの複雑な家庭事情を聞いてから、少しだけ彼を見る目が変わった。
今日は平日、小早川家は私と碧人さん以外出払っていた。
接客業の私は平日休みが多く、碧人さんも先週の土日が仕事で潰れたので今日が代休らしい。

「何で藍?」

「ん~~…真白は口は悪いし相変わらず桃菜を敵視してるけどまあ話はしてくれるし
朱莉は要領良いから心配もしてないんだけど……
藍だけちっとも桃菜に心開いてくれていないみたいでさ。
ちょっと気になってるだけ」

「へぇ、そんな事考えるんだ」

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