【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた
身長が低くて華奢で、典型的な狸顔だと言われる。
要するに愛され顔。 声は元々アニメ声だと言われる。それも武器の一つだと思っている。
友達の真凛ちゃんは、私とは正反対の…どちらかといえばしっかり者のお姉さんタイプの女性だった。
元々女の子から嫌われやすい私にも親切にしてくれた、超がつくほどのお人好しだ。
そして私は、真凛ちゃんが羨ましかった。 自然体の自分のままで周りから愛される彼女のような人に本当はなりたかった。
妬み半分と、彼女の付き合う男の趣味の悪さ。
根っからのお人好しというかなんというか…彼女の選ぶ男達は最低な男が多かった。
大体彼女の友達に言い寄られたらコロッと浮気をしてしまうような男、私が間に入らなくともいつか破滅していたに違いない。
けれど彼女が結婚した伊織さんは全然違った。 私の誘惑にちっとも乗る気配もなく、真凛ちゃんを大切にしていた。
それがまた悔しくて二人の邪魔をしていたのだ。
そんな私を見かねて、碧人さんが自分の実家に私を連れて来た。