【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた

「うひゃ、碧人さん見て下さい。 パンダめっちゃ可愛いですね」

「ああ、ルンルンだったか?」

「いや、ランランでしょう?中国からはるばる来たのでしょう。
それにしても…全然動きませんね」

「人の見世物になってて動物もそりゃ疲れるだろう。
あ、あっちに桃菜の仲間たちがいるぞ?」

「桃菜の仲間?!」

それはそれは可愛らしい動物に違いない。レッサーパンダとか

けれど碧人さんが指をさした先は猛獣館だった。  …変な顔をしたら、くくくっと腹をおさえながら意地悪な笑みを浮かべる。

「お前今すっごい期待しただろう?可愛い動物だと」

「うるさいな~。もぉ~……桃菜が猛獣館にいる動物に似ているってむかつくんですけど!」

「ライオンとかそっくりじゃねぇか。 お前は肉食系女子だからな」

「本当に碧人さんの意地悪!!!」

「百獣の王にたとえてやったんだぞ?少しは喜べよな」

むしろライオンならば碧人さんの方が似ているのではないだろうか。
どこか王者の風格。

伊織さんと並んでいたってどちらかといえば第一印象は伊織さんの方がライオンっぽい。

けれど実はあの人は繊細でナイーブな所があるから、いつだって堂々としていて自分を貫き通す碧人さんの方がライオンっぽい。

なんか褒めている様だから、絶対に口に出さないどこ…。

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