可愛いキミは、僕だけの××
◇ 初夏、キミへの好きが増した。
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あれから、特に変わった事もなく普通に学校生活を過ごしていた。
せんぱいとは、図書室での出来事以来何もない。
日差しが強くなってきた、6月前半。
私は体操服の上にジャージを着て、校庭にいる。
今は来週の金曜日にある、体育祭の予行練習の真っ最中。
それにしてもまだ6月なのに……あ、あっつい!
東雲高校の体育祭は紅白に分かれ、毎年白熱するんだ。
そして、今年は例年の倍は盛り上がっていて、特に女子生徒のやる気が満ち溢れている気がする。
……あの2人が応援団長だからね。
今年は紅組の応援団長が荻野先輩、
白組の応援団長は秋元先輩。
先生と応援団の打ち合わせをしている、
団長2人に大勢の熱い視線が送られていた。
みんな目をハートマークにして、分かりやすいなぁ。
って言ってる私もせんぱいのことばっかり見てるけど。
『……また今度、四葉さん』
相変わらずせんぱいの周りには女の先輩がいるから、話しかける勇気が出ない。
……私ってば、せっかくせんぱいと関わる大チャンスを自ら逃しちゃうなんて。
あの時、咄嗟に逃げ出してしまったことを今更ながら後悔している。
片思いをしてから丸一年、一度たりともあんな至近距離になったことはない。
いつかは話そう、話そうと思っていたくせにいざとなったら逃げ出すとは、ほんっと情けない。
でも、あんなふうに抱きしめられるのは予想外だったんだよ!