可愛いキミは、僕だけの××
「私も始めは、そう思って大和に告白出来なかったからね」
「……えっ!?瞳さんから告白したんですか!?」
「そうよ。上級生に絡まれてたところを助けてくれて、そこから一目惚れしたの。長い長い片思いだったなー」
静かに呟いて思いを馳せる瞳さんを凝視して、目をぱちくりさせた。
……い、意外!
今では荻野先輩の方が瞳さんにベタ惚れで、バイト終わりには必ず迎えに行ってる過保護っぷりなのに。
「大和は入学式の時から目立ってて、モテモテだったのよ。よく上級生の女の人と一緒にいたし、私じゃきっと無理だなぁって思ってた。でも、やっぱり諦めたくなくて大和が1人の時間を見計らって告白しちゃった」
あの瞳さん一筋の荻野先輩が、上級生の女の人と?
何だか想像つかない。
「そしたらね、『俺もずっと気になってたけど、話しかけられなかった。先に言われたのは悔しいが告白してくれて嬉しい』って言ってくれたのよ』
その時を思い出し、頬を染めて微笑む瞳さん。
すっごく幸せそうだ。
今の話を聞いてたら、私もほんの少しの勇気を出してみようかなと思えたよ。
やる前から諦めてたら駄目だなって。