可愛いキミは、僕だけの××


「あーあ、2人の世界に入っちまったよ」

「しゃーない、俺らも3人の世界作っちゃう?
ね、希ちゃん」


「……え、」


いつのまにか、私の両隣にいる城間先輩と戸梶先輩。


城間先輩は男らしいワイルド系で、戸梶先輩はいつもニコニコしてて、優しいけどチャラい。

秋元先輩とはまた違うタイプの美丈夫だ。


この2人もすごくモテるから、
毎回女の子を連れて歩いている。


まさか直接話しかけられるとは思わなくて、固まったまま動けない。


戸梶先輩が私の肩に腕を回してきた。

ほのかに香水が香るのと同時に色気を含んだウインクが送られ、どぎまぎしちゃう。


「いや、あの……」


こういう時、どう反応したらいいのかな。


慣れてないからぎこちない笑みを返すことしかできない私を見て、「んなにガチガチにならなくても、なんもしねーよ」と城間先輩が笑う。


笑ってる場合じゃないです!

もうそろそろ離れてくれないと、観客席にいる女子からの視線が痛いよー!!



「おい、戸梶。なれなれしく四葉さんに触るな」



さっきから不機嫌顔だったせんぱいが眉間に皺を寄せて、私から戸梶先輩を引き剥がした。

そして、そのまま腕で首を絞める。


「いででででで!お前、容赦ないな!?分かった、分かったから離せって!」


戸梶先輩先輩が叫んでるのを城間先輩がゲラゲラ笑いながら見守っていた。


ちょっと可哀想だけど、私としては助かった!

これ以上睨まれたくなかったからね。

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