可愛いキミは、僕だけの××
歯を食いしばり、真剣に走っていたあの人の周りだけ、眩しいくらいキラキラ輝いて見えた。
同級生数人に揉みくちゃにされてるせんぱいは、くしゃくしゃに笑って楽しそう。
隣にいる瞳さんがかっこよかったね、
と私に微笑む。
何度も頷きながら再びせんぱいを見つめた。
すると、荻野先輩と一緒にゆっくりとこちらに近付いてくる。
「大和ー!蓮夜くんもお疲れ様!」
「ああ、最後までちゃんと見てたか?」
「あったりまえでしょ!大興奮だったわよ!今日の大和世界一かっこよかった〜〜!!」
思いっきり抱き着いた瞳さんを優しく受け止める赤井先輩。
「俺はいつでもかっこいいだろ?」
「それもそうねー!」
おお…!あまりのラブラブっぷりに、
見ているこっちが照れちゃう!
「………四葉さん、」
2人がイチャイチャしてるとこをぼーっとしながら見ていると、せんぱいが私を呼んだ。
「あ、お疲れ様です!見てました、ずっと」
「……どうだった?」
「かっこよかった、です」
照れながらも素直に言葉を伝えると、せんぱいはふにゃっと柔らかく笑ってみせた。
「………四葉さんが応援してくれたから、頑張れたよ。ありがとう」
ドキッ
「っ、いえ!」
よく笑う方ではないせんぱいの笑顔に胸が高鳴る。
やっぱり、せんぱいを諦めることは出来そうにない。
それどころか、今この瞬間ますます好きになってしまう。
きっとライバルは多いだろうけど、少しずつ仲良くなれるように頑張ってみよう。
と思う午後だった。