可愛いキミは、僕だけの××
帰りのHRが終わり、あとは帰るだけになった。
今日はバイトがないから、ゆっくり帰ろっと。
帰ったら新作のハーゲンダッツが待ってるんだ、楽しみ!
ルンルン気分で靴を履き替えて、校門に向かう。
グラウンドを通ると、秋元先輩達と見慣れた3年女子の集団が見えた。
どうやらホースをつないで、水撒きをしてるみたい。
戸梶先輩が持っていたホースの水の勢いが強くて、思いっきり城間先輩にかかってしまう。
「お前、やりやがったな!」
「わざとじゃねーって。うわっ、やめろよ!」
仕返しと言わんばかりに、躊躇なく水をかけるから
あっという間にびしょ濡れだ。
それをキャーキャー言いながら見てる女子組。
わぁ、2人とも楽しそう!
「何やってんだお前ら……」
秋元先輩は呆れながらも笑っている。
時々笑い声が聞こえてきて、羨ましくなった。
いいな、涼しそうで。
まぁ、あの中に混ざる勇気はないけど。
………また、夏休み明けに会えたらいいな。
そう思って、静かに通り過ぎようとした。