可愛いキミは、僕だけの××
「ひょっと、ひぇんぱい!」
「ぶふっ」
イケメンらしからぬ笑い方に凝視してしまった。
普段はクールだけれど、
意外と笑い上戸なのかもしれない。
そんなことを思っていると、女子生徒からのレーザービームのような視線が突き刺さる。
……やばい、ここ下駄箱だった。
こうなるのが分かってたから、
早く帰ろうとしていたんだ。
女子生徒(特に上級生)に殺される自分が容易に想像出来たので、せんぱいに手を離すように言おうとしたら戸梶先輩が口を開いた。
「おいおい蓮夜く〜ん、いつの間に見てるだけの生活から卒業したんだよ?」
「オニーサン知らなかったよ?」と、戸梶先輩がニヤニヤしながら彼の肩に腕を乗せる。
せんぱいは私の頬から手を離し、そのまま戸梶先輩に思い切りヘッドロックをした。
ぎゃああああ!!!という悲鳴が響く。