嘘カノでも幸せになれますか
そうだ! 一輝先輩がここにいるんだから、唯花ちゃんを紹介するチャンスじゃない?
「一輝先輩、あの。私のお友達の唯花ちゃんです。これから唯花ちゃんをよろしくお願いします」
あれ? 紹介するってこんな感じでいいんだっけ?
一輝先輩は唯花ちゃんの方を向き、握手を求める仕草をしながら
「柚葉ちゃんのお友達か。それは俺も仲良くしないとな。よろしくな、唯花ちゃん」
そう唯花ちゃんに挨拶をすると、一輝先輩と唯花ちゃんは握手を交わした。
その時の唯花ちゃんの真っ赤になった顔が可愛くて。
唯花ちゃんを見ていると私もなんだか嬉しくなってくる。
よし。これで私の役目はおしまいだよね。
今帰ればまだダンに追いつけるかな。