嘘カノでも幸せになれますか
私が答えるかわりに、ダンが一輝先輩に
「今朝も言っただろ。俺たちは付き合い出したの。一輝は邪魔すんなよ。それとさっき居なくなった女、大体想像つくだろ。あれは一輝がどうにかしろよ。ユズを不安にさせるな」
そう言えば、今朝2人が何か話していたのは知っていたけど。
私とダンが付き合っているって一輝先輩に話していたんだ。
嘘で付き合っているとは言わなかったの?
「さっきの唯花ちゃんって毎日練習を観に来ている子だよな。柚葉ちゃん、さっきの子のことで何かあったら、暖じゃなくて俺に言いに来るんだぞ。暖じゃ役に立たねぇ」
「なんだよそれ。俺が役に立たないって。ユズは俺が守るんだよ。覚えとけ、バカ一輝」
「るせーんだよ、アホ暖。俺はお前たちのこと認めてないからな」
「一輝に認めてもらう筋合いはないから。バカ一輝!」
「あーあ、こんなアホ暖の相手してると疲れるわ。さ、練習行こうっと。じゃーな、柚葉ちゃん。暖に騙されるんじゃないぞ。何かあったら俺のとこに来いよ」
一輝先輩は私とダンを残してバスケの練習に戻って行った。
やっぱりダンと一輝先輩は仲良しなんだね。バカとかアホって言い合えるのも仲良しだからできること。