嘘カノでも幸せになれますか

「暖からそんな話を聞いたぞ。なんか駅で死にそうな顔した素直じゃない女がいて、無賃乗車しそうだったからお金を渡した、って言ってたわ。あっはは! それ、柚葉ちゃんかーー!」

そう言って一輝先輩は豪快に笑い出した。

一輝先輩の豪快な笑いに咲希もつられて笑い出すし。

「二人してなによ、もぅ」

私は小さい声で反抗した。

「ひぃーっ! 笑いすぎておなか痛いですよ、一輝先輩! 柚葉が死にそうな顔って! あははっ。それで、暖先輩って何組なんですか?」

「暖は隣のクラスだよ、2組。待ってな。呼んできてやるから」

そう言うと、一輝先輩は笑いながら2組に入って行った。

「咲希、笑いすぎだから! ねぇ、あの一輝先輩って何者? あと、暖先輩って人も知り合いなの?」

「一輝先輩も暖先輩も同中の先輩なの。あの二人、仲良くてね。人気があるんだよ。豪快で男らしい一輝先輩と、クールな暖先輩」

咲希が先輩二人の説明をしてくれている所へ2組から一輝先輩が暖先輩を連れて出てきてくれた。
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