嘘カノでも幸せになれますか

そして問題の一輝先輩。

「柚葉ちゃん、俺はこのバカと違って大人だから。唯花ちゃんにこう言ったんだ」

そう言うと一輝先輩は体全体を使って再現してくれた。
しかも、唯花ちゃんの物まね付き。



一輝:唯花ちゃん、おはよう。君のことを待ってた。

唯花:え? 一輝さん。おっ、おはようございます。

一輝:昨日さ、せっかく柚葉ちゃんが紹介してくれたのに帰っちゃうから話ができなかったでしょ。だから待ってた。

唯花:どうして? だって一輝さんは本多さんのことが・・・

一輝:しっ! それ以上は言わないで。俺はね、皆のことが好きなの。柚葉ちゃんも好きだけど、唯花ちゃんのことも好きだよ。

唯花:嘘! そんなの嘘です! 信じられません。

一輝:信じてくれないのは悲しいな。俺はいつも練習を観に来てくれてたの知ってたし、嬉しかったんだけどな。そっか。俺のことは信用できないのか。うううっ・・・俺、泣くかも。

唯花:やっ、泣かないでください。信じます、一輝さんのこと信じますから。

一輝:じゃあ、昨日言ってた柚葉ちゃんが酷いって言葉は無かったことにしてくれる?あれ、本心じゃないでしょ?唯花ちゃんは優しい子だもんね。

唯花:は、はい。もちろん本心じゃありません。私も本多さんのこと好きですし。仲良くしたいって思ってます。

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