嘘カノでも幸せになれますか

一輝先輩と昇降口で別れてから走って教室へ入ると、教室の入り口で唯花ちゃんが私を待っていた。

「本多さん、待ってたの。昨日は急に帰ってしまってごめんね。本多さんのこと色々誤解しちゃって、本当にごめんなさい」

唯花ちゃんが待っていてくれたのも驚いたけど、ちゃんと謝ってくれるなんて。

これはきっと一輝先輩のおかげ。

「ううん、大丈夫だよ。誤解が解けて良かった」

「今朝、一輝さんが私を待っていてくれてね、一輝さんから初めて声を掛けてもらったの。とても嬉しかった。本多さんのおかげだよ」

「良かったね、唯花ちゃん」

「今日から本多さんのこと柚葉ちゃんって呼んでもいい? お友達になってくれる?」

「もちろんだよー。嬉しい、ありがとう唯花ちゃん」

さっきまで不安しかなかった気持ちが、救われた。

一輝先輩には本当に感謝しかない。

それに唯花ちゃんともお友達になれたし。

これからは遠慮しないで言いたいことを言い合える友達になれたらいいな。

ダンが気付かせてくれたんだもん、私の悪い所。

ちゃんと直さなきゃ。

「ね、早速だけど柚葉ちゃん。今日もバスケ部の練習を一緒に観に行かない?」

「あっ、今日は用事があって帰らなきゃいけないの。ごめんね唯花ちゃん」

「そっかー、残念だな。じゃ、また今度付き合ってね」

「うん!」
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