嘘カノでも幸せになれますか
第15話 たっくんとの再会
今日はMGRのオリジナル3曲のレコーディングの2日日。
土日の2日間スタジオを借りて、納得するまで皆で頑張るつもり。
初日の昨日は無事2曲収録できて、順調にレコーディングは進んでいた。
今日もまずはそれぞれがウォーミングアップして指や声の調子を整える。
私もヘッドホンをして、キーボードの練習をした。
そんな時、スタジオのドアが開いて男の人が入ってきた。
私はスタジオのスタッフだと思って、気にせずに練習を続けていたんだけど、タクさんが大きく手を振って練習をストップするジェスチャーをした。
どうしたのかと思いながらヘッドホンを耳から外し、タクさんを見る。
「ハルが応援に来てくれたよ」
「おお、ハル。久しぶりだな。手の怪我はどうだよ? 良くなってるのか?」
ボーカルのカイトさんが声を掛ける。
「お前、毎日何やってるんだよ。もっとスタジオに遊びに来いよ」
ダンも嬉しそうにそう言葉を掛けている。
「ハル、お前の助っ人を紹介するよ。ユズ、こっちおいで」