嘘カノでも幸せになれますか
「ダン、あのね。収録のご褒美のお出かけね、やっぱり夢の国はやめておくね。別の所を考える」
「・・・。」
「そうだよね。別にお出かけしなくてもいいや。もう十分ダンにはご褒美貰ったもんね」
「・・・。」
「ね、ダン。何か怒ってるの? どうして何も話してくれないの? 帰りに私に話があるって言ってたのに」
「話したいことは沢山あるよ。何から話せばいいのか整理がつかねえの」
「・・・じゃあ整理がつくまで、待つよ?」
「ん」
私たちは駅のホームのベンチに座り、ダンが話してくれるのを待った。
下りの電車を2本見送ったところで、ダンがやっと話を切り出した。