嘘カノでも幸せになれますか
眠ってからどれくらい経ったのだろう。
頬にあたたかい何かが触れているのに気が付いて、ゆっくりと目を開けてみる。
ん? 誰かの手のひらが私の頬を包んでいる?
「ユズ? 起きた?」
この声は、ダン?!
「えっ? どっ、どうしてここにダンがいるの?」
ビックリした私は横になっていた体を思い切り起こして、ダンの手を払ってしまった。
あっ、急に起きたからまためまいが・・・。
「ユズ、まだ寝てなよ。体調悪いんだろ。無理すんな」
ダンはそう言って私の肩に手を回し、ベッドに寝かせてくれた。