嘘カノでも幸せになれますか

「それで柚葉はずっと泣いちゃったのね。何で泣くんだろうね」

咲希が心配してくれるかと思ったらその逆で、ニヤニヤして私の話を聞いてるの。

「もう、咲希! どうしてそんなに嬉しそうに私の話を聞いているのよぉ」

「だってさ、もう堂々とお付き合いできるじゃない。そもそも最初から嘘じゃなくて本当に付き合っちゃえば良かったのよ、あなたたち」

「最初からって」


私はダンに嘘をついた。好きな人がいるって、嘘をついてしまった。

本当は、ダンのこと、大好きなのに。

香梨奈さんのことを聞く勇気がなかった私が全部悪いの。

ごめんなさい、ダン。

咲希は落ち込んでいる私に、

「柚葉、素直になりなよ。意地を張っていてもいいことなんて一つも無いんだよ」

そう話してくれた。


そして、この日から学校でダンに会うことも、ダンを見かけることも無くなった。
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