嘘カノでも幸せになれますか
「あの、もう行ってもいいでしょうか」
私のこの一言に気分を害したのか、
「あなた、少し生意気なんじゃないの? あなたのその態度、全部暖に言っておくわね。あははっ。暖も騙されちゃってバカな男よね」
ダンのことをそんな風に言うなんて。
私はそれが許せなくて、うつむいていた顔をその先輩たちに向けて、
「私のことは悪く言っても構いません。でも、ダンのことを悪く言うのは許せません。先輩だからって、何なんですか」
私の声は震えていて、だんだん涙が込み上げてきて。
でもここで泣いたら私の負け。絶対に泣かない。
「やだ、この子。何マジになってるのかしら。怖っ」
「もうアホらしいから行こう。じゃーね、性格悪い子ちゃん」
先輩二人は私をその場に残し、学校へと歩いて行ってしまった。