嘘カノでも幸せになれますか

先輩たちが離れて行ったから気が緩んで、堪えていた涙がポロポロと零れ落ちた。

「ひーんっ・・・どうして。私の何が悪かったのよ。言われっぱなしで悔しい」

涙を袖で拭き、涙をどうにか止める。

だいたいダンとはもう何週間も会ってないし、ましてや登下校だって一緒にいないのに。

あの先輩たち、何を見てそんなことを言ってくるんだろう。

こんな風に誰かに対して反抗したことが無いし、今まで誰にも意見をできずに過ごしていたから、先輩に言い返せたことがびっくりした。

そう言えば前にダンから言われたことがあったな。

『ユズはもっと意見を言えるようにならないと』

『ユズは自分を守っているだけだろ。相手の気持ちより、自分に嫌な矛先が向かないようにしているだけなんじゃないのか?』

ダン、ちゃんと言えたよ。怖かったけど、言いたいことを言えたよ。

そんなことを考えながら、重い足取りでやっと学校へ辿り着いた。
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