嘘カノでも幸せになれますか
こうして私のことを心配して駆け付けてきてくれたダンは嘘じゃないよね。
私のことを思って来てくれたんだよね。
一輝先輩からのエールを無駄にしないように、香梨奈さんのことをダンに聞いてみようと決心するよ。
今ならきっと何を言われても大丈夫。受け入れられる。
こうして授業を抜け出してまで会いに来てくれたダンのこと、信じられる。
「うん。ユズの好きな人」
「ごめんなさい。ダンが家に来てくれた時、私、嘘ついた」
「どの部分だよ?」
「私、好きな人がいるって言ってダンのこと、断った」
「ああ、そうだな」
「私の好きな人」
「・・・。」
「私の好きな人はね、ダンなの。ダンのことが好き」
私はダンの顔を見るのが怖くて、下を向いて好きと告白した。
その時、ダンがどんな顔をするのか怖くて。