嘘カノでも幸せになれますか
私、なんてひどい誤解をしていたんだろう。
ダンの妹さんが大変な病気になっていて、電話でダンが励ましていただけなのに。
それを勝手にダンの好きな人だとか、信用できないとか決めつけて。
ダンを傷つけた。
「ダン、ごめんなさい。私、勝手に誤解してダンにひどい嘘を言った。本当にごめんなさい」
「分かってくれた? 香梨奈は俺の大切な妹。そしてここにいるユズは大切で大好きな人なの」
「ダン・・・。まだ、私のこと」
「好きだよ。嫌いになるわけないだろ」
ああ、涙腺崩壊。泣いちゃう。
「ダン、私、私ね。私もダンが好きー」
「バカ、こんなとこで泣くなよ。俺が何かしたみたいだろ」
ダンは初めて出会ったときに話した同じ言葉で私に泣き止めと言う。
「うわーん」
しゃくりあげながら泣く私にバカって言いながら、ダンがギュッて抱きしめてくれる。