嘘カノでも幸せになれますか

「そうだ、ダン。MGRのフェス出演の話はどうなっているの? なにか主催者から連絡あった?」

「んー、多分まだないと思う。タクの所にまだ連絡ないんじゃないかな。ユズのキーボードだもんな、気になるよな」

「うん。選ばれてるといいな」

「でもなぁー、フェスに出れてもキーボードはハルなんだよな」

「ふふっ、そんな残念そうに言ったらたっくんが可哀想だよ」

「そのユズが呼ぶ”たっくん”が気に入らねぇ。まさかまだ会ってたりしないよな」

「ピアノ教室の時は会う時もあるよ。でも私がピアノの日はダンってたっくんと仲良くご飯食べてるんでしょ? たっくんから聞いたよ」

「あいつ、そんなことまでユズに話してんのかよ」

たっくんにはダンとお付き合いすることになったって報告したんだけど、相変わらずダンに「昨日柚葉がうちでね~」なんて話すみたいだから、ダンのたっくんに対する警戒心がまだ取れないんだよね。

ダンもたっくんももう少し大人になれないのかな。
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