嘘カノでも幸せになれますか
「ただいまー。香梨奈は起きてる?」
「暖、お帰りなさい」
玄関に入った私たちのところへダンのお母さんが出迎えてくれる。
「母さん、こちら彼女の本多柚葉さん。ユズ、こっちが俺の母さん」
ダンがお母さんに私を紹介してくれて、お母さんのこともきちんと紹介してくれた。
「はじめまして、本多柚葉です。暖さんとお付き合いさせていただいています。よろしくお願いします」
こんな挨拶で大丈夫だったかな。ちゃんとダンの彼女って認めてくれるかな。
「柚葉さん、そんなにかしこまらないで。こんなに可愛い子、暖にはもったいないわねぇ。さ、さ、狭いお家ですけど上がってちょうだい」