嘘カノでも幸せになれますか

そんな香梨奈ちゃんに私は内緒の話だよって言って、香梨奈ちゃんに小さい声で私の気持ちを告白した。

「香梨奈ちゃんだけに打ち明けるけどね、ダンが私を好きになってくれた時よりも先に私の方がダンのことを好きになっていたと思う」

香梨奈ちゃんにそこまで話した時、香梨奈ちゃんの部屋のドアが勢いよく開いて、ダンが入って来た。

「香梨奈! 変なこと言ってんなよ。ユズもだぞ。誰がデレるとかデレないとかさぁ。勝手に俺のこと・・・」


「だって本当のことじゃん」

「だって本当のことでしょ」


私と香梨奈ちゃんの言葉が被って、私たちは笑い合った。

「っていうかさ、お兄ちゃんずっと聞いてたでしょ。そんなにユズさんと離れたくないの? ね、ユズさん。お兄ちゃんってやっぱりツンデレでしょ!」

「香梨奈、お前さー。俺のかっこいいとこ返せ!」

ダンはそう言いながら香梨奈ちゃんの頭をくしゃくしゃっと撫でた。

そんな二人を見て、とても仲の良い兄妹なんだなって思ったよ。

なんだか幸せな気持ちになったの。
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