嘘カノでも幸せになれますか
「香梨奈ちゃん、またね。おやすみなさい。お邪魔しました」
私は香梨奈ちゃんとダンのお母さんに挨拶をして、ダンの家を後にした。
外に出るとすっかり辺りは暗くなっていて、大丈夫だよって言ってるのにダンは私を家まで送るって言って譲らない。
「駅までで大丈夫だよ。ダンは香梨奈ちゃんと一緒にいてあげなよ」
「ん。香梨奈は退院できたんだしこれからもずっと一緒にいられるだろ。でもユズとは一緒にいられる時間が少ないんだぞ。少しでも一緒に居たいんだよ。分かれよ、ばかユズ」
「ふふっ。ありがとう、ダン」
ダンが私のことを ”ばかユズ” って言う時は照れ隠しだって分かってるよ。
そっか、これがツンデレってことなのかな。
香梨奈ちゃん、ダンのこと良く分かってるんだな。