嘘カノでも幸せになれますか
「はい」
駅に向かい二人で歩いていると、ダンが左手を差し出してきた。
このサインは手を繋ごうって言う意味。
私はそのサインを無視して、ダンの左腕に私の右腕を絡ませてギュッとした。
「はっ?! ユ、ユズ」
ふふっ、ダンが驚いている。
「ダン、大好き」
「なんだよ、急に。どうした」
「ダンとくっつきたかったの。ダメ?」
私はチラっとダンの顔を見上げてみる。
辺りが暗いからダンの表情が良く見えなかったけど、ダンも私を見つめてくれていた。