嘘カノでも幸せになれますか

「なぁユズ。さっき香梨奈に話していたことって、本当?」

「どの話のこと?」

「あれだよ、ほら。俺よりも先にユズが俺のこと好きになってたって」

「・・・/// ダンっ! 聞こえていたの?」

「ねぇ、いつから? いつから俺のこと好きだったの?」


ダンの声がとても楽しそうで、それでいて少しイジワルに質問してくるんだもん。


「しっ、知らないよ、そんなこと。内緒だもん。教えないもん」

「ははっ、俺のことそんなに好きだったんだ」

「もう、からかわないでよ。恥ずかしいよ」


私の言葉に返事をしないダン。

ダンは歩くのを止めて、私の名前を呼ぶ。


「ユズ」


名前を呼んだダンが私の正面に立つから自然とダンに回していた腕が離れてしまった。

ダンはこういうのイヤだったのかなって心がズキンとして、ダンから目を逸らした。
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