嘘カノでも幸せになれますか
「ダンのことね、大好きなの。キスされた時にね、心臓が止まるくらい好きって溢れたの。本当に好・・・き? ん?」
私がそこまで話した時、咲希が顔を真っ赤にしながら大爆笑をして。
「咲希、何よぉ。真面目に答えたのに。そんなに笑うことないでしょ」
「柚葉、後ろ向いてごらん」
咲希に言われた通り後ろを振り返ると、そこには、
「だっ! ダン!!」
顔を真っ赤にして、パンケーキ屋さんでしていたように片手で顔を覆っているダンが立っていた。
「えっ? いつからいたの? ね、咲希。知ってたの? もしかしてダンが居るの知っててその質問したのぉ」
「柚葉、聞いているこっちの方が恥ずかしいんだからね。もう早く暖先輩と帰りなよ。私は部活に行くから。じゃーね。暖先輩もさようなら。お幸せに~」
咲希はからかうように私とダンに挨拶をして、さっさと部活へ行ってしまった。