嘘カノでも幸せになれますか

夏休みは他にもたくさん一緒に遊ぼうねって約束して。

ダンは海とプールにも行きたいって言ったけど、それだけは阻止したの。

ダンの前で水着になるなんて、私、無理。


今日は夢の国デートのために早めにダンとはお別れして、明日の準備をしなきゃ。


「ダン、明日とっても楽しみにしているね。待ってるからね」

「俺も楽しみにしてる。ユズ、また明日な! おやすみ」

いつものように私の家まで送ってくれたダンは私が玄関の中に入ると今来た道を戻って行く。

ふふっ、ダンは気付いていないけど、いつも玄関の扉をそっと開けてダンが見えなくなるまで見送っているんだよ。

そして今日も玄関の扉を一度閉めてからそっと扉を開けてダンの背中を見る・・・っと! えっ?!

「だっ、ダン!」

帰ったはずのダンが玄関の前に立っていて、口に手を当てて笑っている。
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